天ぷらの意外なネタと東御ワインのマリアージュ

辻佳苗
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INDEX
  1. 信州ならではの天ぷらと東御ワインのマリアージュ
  2. ぶどうの新芽×カーヴ ハタノ シャルドネ
  3. ニセアカシアの花×アルカンヴィーニュ りんご三兄弟
  4. 野沢菜漬け×ドメーヌナカジマ ペティアンナチュール
  5. さきいか×はすみふぁーむ 信州の甲州
  6. 定番・山菜×496ワイナリー ソーヴィニヨンブラン
  7. まとめ

信州ならではの天ぷらと東御ワインのマリアージュ

信州人は天ぷら好きな県民です(自分たちでは気づいていないかもしれませんが!)。

春になると、山菜などの定番はもちろん、畑に咲く長ねぎの花「ねぎぼうず」まで天ぷらに。お彼岸にはご先祖さまに野菜の天ぷらや、まんじゅうを揚げた「天ぷらまんじゅう」をお供えします。お盆に親戚一同が集まるときのふるまい料理も、もちろん天ぷら!

次項から詳しくご紹介しますが、それ以外にも他県の人には「へぇ!」と驚かれるようなネタも天ぷらにします。

そこで今回は、東御在住のワインに特化した旅行会社「長野ワイントラベル」代表で、千曲川ワインコンシェルジュの前澤知江さんに、信州ならではの変わり種天ぷらに合う東御ワインを教えていただきました。

 

 

ぶどうの新芽×カーヴ ハタノ シャルドネ

ワイン用ぶどうや生食用ぶどうの栽培では、春に不要な新芽を摘み取る「芽欠き」という作業を行います。

そして摘み取った新芽は、この季節だけ食べられる貴重な天ぷらネタとして栽培者の方々の食卓にあがります。これに合わせたいワインとして前澤さんがおススメするのは、カーヴ ハタノのシャルドネ。

「山菜のような苦味はなく、ほんのり酸味を感じるぶどうの新芽の天ぷらには、定番のシャルドネがよく合います。カーヴ ハタノのシャルドネは、いわば東御のシャルドネのお手本。ワインの一本筋が通ったようなキレイな酸と新芽の柔らかな酸。2つの酸味のハーモニーは、酸っぱさが助長されるわけではなく、なんともいえないまとまりを生み出します」

 

ニセアカシアの花×アルカンヴィーニュ りんご三兄弟

ゴールデンウィーク明けから梅雨にかけて甘い香りを伴って咲くのが「ニセアカシア」の花。

北アメリカ原産のマメ科の木で、「アカシアのはちみつ」が採れる花といえばわかりやすいでしょうか。このお花の天ぷらに合わせたいのはアルカンヴィーニュのシードル「りんご三兄弟」。

「ニセアカシアの柔らかな甘みを消さないワインが良いので、東御で酸の柔らかい白ワインを探すより、思い切ってシードルに切り替えたほうが簡単です。こちらのシードルはその名の通り3種のりんごを使っていて、スッキリはしているけど単調ではありません。ちょうどいいバランスが、ニセアカシアの風味に寄り添います」

 

 

野沢菜漬け×ドメーヌナカジマ ペティアンナチュール

信州名物の「野沢菜漬け」。醤油や味噌に漬けた野沢菜はご飯のお供やおつまみとしてそのまま楽しみ、古漬けになってからは炒めたり天ぷらにしたりして、最後までおいしくいただくのが信州流です。

野沢菜の天ぷらはドメーヌ ナカジマの微発泡ワイン「ぺティアンナチュール」によく合います。

「こちらのぺティアンは巨峰で作られています。生食用や果汁・加工用のぶどうから作るワインには『フォキシーフレーバー』と呼ばれる独特の強い香りがあり、食事と合わせるのには向かないと言われていますが、これはフォキシーフレーバーはほぼナシ。どんな料理にも合わせやすく、お値段もお手頃なので特にオススメ。醤油や味噌をほんのり感じる野沢菜漬けの天ぷらを、よく冷やしたペティアンの柔らかい泡が優しく包み込みます」

 

 

さきいか×はすみふぁーむ 信州の甲州

乾き物のおつまみ「さきいか」の天ぷらも、信州の居酒屋などでよく見かけるメニューです。海に面していない土地ならではの「変わり天ぷらネタ」と言えるでしょう。

これに合わせたいのは、はすみふぁーむの「信州の甲州」。

「さきいかの天ぷらは、選ぶワインを間違えると口の中が臭みたっぷりになってしまいます。日本のワインはそういった臭みは出にくいものの、やはり注意が必要です。ここ東御の標高の高いエリアで育った『信州の甲州』は、山梨のものとは異なり、なんともクリーンで爽やかな味。ただ酸っぱいだけではない、甲州ならではの旨味を伴った酸が、さきいかの独特の風味に寄り添います。ただし、さきいかの天ぷらと合わせるときは、ワインの冷やしすぎに注意してください」

 

定番・山菜×496ワイナリー ソーヴィニヨンブラン

ふきのとうやこごみ、わらび、たらの芽、こしあぶらなどの山菜も、もちろん定番の天ぷらネタです。

前澤さんのおススメは496ワイナリーの「ソーヴィニヨンブラン」。

「山菜の特徴はなんと言っても苦味。それに合うのは酸も果実味もバランス良く感じる白ワインです。八重原の強粘土の土地で育ったぶどうは、千曲川右岸の地域より熟しやすく、ワインにしたときにほどよい凝縮感が生まれます。

このソーヴィニヨンブランは品種の特性であるハーブや柑橘系はもちろん、りんごや洋梨と言ったニュアンスもあるので、ほどよく衣をまとった山菜の天ぷらにピッタリです」

 

 

まとめ

以上、信州ならではの素材と、他県でも手に入る(でも、天ぷらのネタとしてはちょっと珍しい)ネタ、そしてこれらに合う東御ワインをご紹介しました。相性のいい組み合わせは、いずれも「天つゆ」でなく、「塩」で食べることを前提としています。

ぶどうの新芽は、ワイナリーやヴィンヤード(ぶどう畑)のお手伝いに行って生産者と顔なじみになって、タイミングが合えばありつくことができるかもしれません。

おすすめのワインはそれぞれのワイナリーのHPから購入することができます。

余談ですが、長野県には「花ころも」という「ご当地てんぷら粉」があります。からっと上手に揚げることができると評判で、就職や結婚で県外に移り住んだ人も、帰省の際にはスーパーでこれを買って帰る人もいるとか。
こちらもオンラインショップから購入可です。
▶︎日穀製粉株式会社  https://www.nikkoku-shop.net/

 

信州らしい天ぷらと東御ワインのマリアージュ、是非体験してみてください。

 

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